病虫獣害被害・樹幹注入
松くい虫などに代表される病虫害の被害を抑えるための取組の紹介
松くい虫と呼ばれるアカマツ、クロマツの集団的な枯死被害は、正しくは「マツ材腺虫病」という樹木の伝染病による被害です。このマツの枯死を起こす病原は、「マツノザイセンチュウ」という体長1mmの小さな線虫です。そして、病原線虫を健全なマツに媒介し、被害を伝染・拡大させているのが、体長3cmほどの「マツノマダラカミキリ」です。
この松枯れを防止予防するものとして、駆除・予防薬剤散布・薬剤樹幹注入などがあり施工場所や施工時期に適した工法でおこないます。
■駆除
目的 :発病枯死木中のカミキリを殺虫することにより病原線虫の伝搬頻度を低下させ伝染を抑制する。 | |
方法 :枯死木を伐倒し、焼却・薬剤散布・くん蒸・破砕などを行う。 |
|
時期 :カミキリの幼虫が樹皮下に生息する9月から脱出する5月頃まで時期に応じた駆除方法で実施する。 |
注意
:健全木には無施工のため、その地域内で一斉に実施する。
■予防薬剤散布
目的 :健全木へ薬剤を散布し、カミキリを殺虫することにより松への病原線虫の侵入を阻止して発病を防ぐ。 |
|
方法 :噴霧機等によって散布を行う。 |
|
時期 :5月下旬頃から6月下旬頃に1~2回実施する。 |
注意 :人や動物及び農作物等への危害を避ける。
■薬剤樹幹注入
目的 :浸透性殺線虫剤を松に注入・拡散させて樹体侵入初期の段階で病原線虫を殺虫する。 | |
方法 :木の大きさに従って所定量の薬剤を樹幹下部に注入する。 | |
時期 :地域や気候によって異なる。薬剤が全体に侵入するのに3ケ月くらいかかるため松が休眠している12月から2月頃までに施工しないと脱出期(5月下旬頃)を過ぎる。 |
注意 :すでに病変を認められた木には実施しない。また、小径木には実施しない。